はじめまして、幸寄・多幸之介(サヨリタコ之介)こと長村洋一です。私は、「タコ先生の食情報Now!」としてこの欄を担当させていただきます。

さて、第1回のテーマを何にしようかと考え始めたのが1月初旬だったのですが、その時にはまさかと考えていたコロナ騒ぎが世界中の最も深刻な問題になってしまいました。世の中には先の見えない不安が広がるときには必ず「デマ」が飛び交い、そのデマは時には集団で殺人までに発展することがあります。

 

「コロナウイルスが防げます」というニセ情報

今回のコロナウイルスも現時点では効果があると有力視されている医薬品は見つかりかかっていますが、特効薬的に効果が断定されている医薬品は公表されていません。こうした状況下において世の中に出てくるのは、これで「コロナウイルスが防げます」といったニュアンスの健康食品や健康器具です。

 

メディアの無責任報道・SNSがニセ情報を拡散

こうした商品の一部は、メディアの無責任な報道やSNSによって、拡散していきます。これら商品にはヒト試験を行った科学的根拠がほとんどなく、試験管内または動物実験によるものです。ヒト試験(臨床試験)で効果の確認されていない物をあたかもヒト(人)に対して効果があるように情報が流されれば、もっともらしい理由で情報が拡散し、今回、既に騒ぎを起こしたトイレットペーパーのように店頭から消えてしまいます。

 

コロナ予防をにおわす情報番組も

先日、あるテレビ番組で「はちみつ博士」なる方が登場しました。結論としては「蜂蜜、それもマヌカハニー」を摂っていると、明らかにコロナウイルスが予防できるような印象が与えられる解説が夜のゴールデンタイムに放映されていました。この同じ日の昼間、消費者庁から「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に関する改善要請等及び一般消費者への注意喚起について」と題する注意喚起が消費者に向けて行われたばかりでした。

この記事の中に、まさに「マヌカハニー」が上がっており、この番組レギュラーのある有名な先生が行う「過ぎた表現」に時折感ずる違和感を改めて確認した思いでした。

 

健康情報はリスクと背中合わせ

番組の中では一応注意を行っていましたが、蜂蜜は小児ボツリヌス菌を含有していることがあるので乳幼児には非常に危険な食品です。番組を途中から見たお母さんが結論だけを見て、もし乳幼児に食べさせたら本当に危険なことになる可能性があるのです。

 

先述の消費者庁が注意喚起を行って挙げている食品素材の中に、ビタミンC・D・A、あおさ、タンポポ、納豆などがありますが、私は少なくともこれらの素材にはなるほどと感じます。なぜなら、試験管レベル、動物実験ではそれなりの根拠となりうるそれなりの論文が出ているからです。現に、私がよく知っている海藻の研究を長年行ってきた先生も、コロナ騒動が始まりかけたときに「海藻のあおさなどに含まれるラムナン硫酸が効果あると思う」と述べておられました。

 

薬より効果があるサプリはない

しかし、基礎実験で証明された食材を含む食品をヒトに応用したときには全く効果が認められない、または既存の医薬品の方がはるかに効果が明確で、かつ安全なので、摂取する必要が全くないのがほとんどです。世の中に「薬よりも効果があるサプリ」は存在しません。

 

ではこうした健康食品素材には意味がないか? というと全くそうではありません。ただ、テレビで放送したから、SNSで流されてきたからと言って買い占めに走ったり、高価な商品を購入したりすることは必要ないと申し上げておきます。そんな話題も含めて、今後いろいろな世の中に流れている食情報の交通整理をさせていただきます。

(つづく)