2020/04/22

なぜ新型コロナウイルスのガセ情報が出回るのか?

ガセネタに惑わされないために(3)

 

緒方裕理

 

新型コロナウイルスに関するガセ情報

 

コロナウイルスは熱に弱く、26~27度のお湯を飲むと殺菌効果がある

 

まったく科学的根拠のない情報で、ぬるま湯を飲んで殺菌効果があるという意味がわかりません。それならもっと高い温度のお湯ではなぜだめなのか?という疑問も出てきますが、こういった説明も一切ありません。少し考えればすぐにガセ情報とわかる内容です。

 

新型コロナウイルスの感染予防にアオサが効果的

 

中部大学がアオサに含まれるラムナン硫酸に新型コロナウイルスの感染を抑制する力があるかもしれないといって主旨の論文を出したことを受け、アオサが各所で売り切れ、高額で取引されるといった事態になりました。

 

中部大学は拡大解釈と公表しており、論文を取り消しています。それでもアオサ騒動は終わらず、現状も売り切れ、高値で取引される、といった事態が続いています。

 

一応ある程度根拠のある情報ではありますが、出所が情報を否定しているので、情報の都合の良い部分のみ鵜呑みにしない方が良いでしょう。もちろんアオサを購入して食べたからといって特に何かデメリットが生じるわけではないのですが、誤った情報を鵜呑みにするのは考え物です。

 

新型コロナウイルスにはビタミンDが効く

 

上でも少し触れましたが、この情報は出所不明で、まったく根拠がありません。またこの情報を受け、国立健康栄養研究所は「そのような効果は確認されていない」と否定しています。

 

アオサやお湯と同様、ビタミンDを摂取したからといって特にデメリットはありません。しかし過剰摂取したりすると今度はデメリットが発生するので、情報を鵜呑みにして偏った栄養摂取をするようなことは避けたいです。

 

マスクとトイレットペーパーの原料が同じであるため、トイレットペーパーも不足する

 

このガセ情報により、トイレットペーパーが不足する事態に陥りました。まずマスクとトイレットペーパーの原料は別なので、マスクの不足がトイレットペーパーに影響を及ぼすことは本来はありません。

 

しかしガセ情報のせいでトイレットペーパーの買い占めが起こり、結果的に本当にトイレットペーパーが店頭から姿を消しました。このように、ガセ情報が元で、ある意味その情報が本当のようになってしまうケースもあるのです。

 

このトイレットペーパーの情報の出所は不明ですが、転売目的に意図的に誰かが情報を拡散した可能性も考えられなくはありません。今後も誰かがなんらかの製品を買い占め、ガセ情報を流し、高い価格で転売する、といったことが発生する可能性もあるでしょう。

 

一人一人が情報を適正に判断して行動すれば良いのですが、「情報がガセだとわかっていても他の人がその情報を元に行動する可能性があるので、自分も先回りして行動しなければならない」と考える人も必ずいます。

 

むしろ情報を鵜呑みにする人よりも、このように情報がガセだとわかった上で先回りして行動している人の方が多いでしょう。トイレットペーパーの場合も、トイレットペーパーとマスクの原料が無関係であることはわかっているが、他の人がトイレットペーパーを買い占める可能性が高いので、先に自分も買い占めなければならない、という流れです。

 

こういった状況になると、情報の信憑性は関係なくて、ガセ情報を流した者勝ちになってしまいます。

 

詐欺事件も発生している

 

フィッシングサイトによる詐欺事件も発生しています。ネット上でマスクを販売すると見せかけ、クレジットカードの情報を入力させ、お金をだまし取るような手口です。

 

他にも、コロナウイルスが水道管に付いていると言って数十万円のお金をだまし取る事件も発生しています。もちろん詐欺行為を行う人が一番悪いのですが、だまされないよう注意する必要があります。

 

新型コロナウイルスに関するガセネタには冷静に対処

 

新型コロナウイルスに関するガセネタは多いですが、まずは一歩引いて冷静に判断する必要があります。特に情報の出所はどこか、その情報に根拠はあるのか、といって点が重要です。

 

根拠のない情報、出所が不明な情報に振り回されても時間と労力の無駄なので、一歩引いて冷静な視点から考えた方が良いでしょう。

(了)